基礎知識

Disease Basics
診療案内

レム睡眠行動障害で睡眠中に家族に危害を加えることがあり、治療が必要です。

レム睡眠行動障害とは睡眠中に悪夢に反応して手足を動かしたり、暴言を発したり、暴力的な行動に出たりと異常な行動が出てしまう病気のことです。

人間の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があり、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。レム睡眠は脳が覚醒状態ですが、体が動かない状態で、ノンレム睡眠は脳が寝ていて体が動ける状態です。レム睡眠とノンレム睡眠を一定の割合で繰り返すことで脳や体を休息させています。
レム睡眠中は、通常は体の筋肉は動きませんが、レム睡眠行動障害では、筋肉を動かすことが可能であり、夢で生じている内容をそのまま現実のものとして行動をするという症状が生じます。

原因
原因不明なことが多いですが、脳幹部の脳梗塞、脳腫瘍、多発性硬化症なども原因となることがあります。また、パーキンソン病やレビー小体型認知症の初期症状として出現することもあります。

症状の特徴
①睡眠時の異常行動が本人の見ていた夢と一致しています。
②人や動物に追いかけられたといった悪夢が多く、その内容と異常行動は概ね一致します。
③異常行動中またはその直後に声かけや体を揺さぶると目覚めさせることができる。
④睡眠時の異常行動に夢中遊行症とせん妄があるが、呼びかけや揺さぶりで覚醒させることが難しく、行動中の記憶はない点で異なります。

診断
レム睡眠行動異常症を診断するためにはビデオ睡眠ポリグラフで、レム睡眠中に筋緊張が高頻度にみられることを確認し、睡眠と関連した発声や複雑な運動行動のエピソードがレム睡眠中に出現していることが重要です。
ただ、夢の行動化という典型的なレム睡眠行動異常症のエピソードがあるうえで、ビデオ睡眠ポリグラフ検査中に典型的な症状があっても筋緊張消失を伴わないレム睡眠が十分に証明されない場合やビデオ睡眠ポリグラフ検査が容易に利用できない場合は暫定的に診断して治療にあたることもあります。

治療
①怪我を防ぐため寝室環境を整える。例えば、高さのあるベッドではなく布団を使ったり、周囲の家具を片付けたり、家具の角を毛布で覆ったりすることを推奨する。
②睡眠障害をきたす要因(飲酒、薬剤、カフェインなど)を避ける。
③クロナゼパムが第一選択薬として使われることが多く、0.5〜2mgを寝る前に投与する。80~90%の症例で症状改善に有効であるといわれています。

レム睡眠行動障害は、睡眠中に夢に反応して体が知らない間に勝手に動くことで、本人や家族に危害を起こすことがあります。適切な医療介入により、症状を改善し、安全な睡眠環境を整えることが必要です。

当院は、脳神経内科医師が在籍しておりますのでご不安な点がございましたら遠慮なくお問い合わせください。




いなざわ駅前内科クリニックでは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病をはじめ、頭痛、脳卒中、パーキンソン病、認知症、てんかんなどの脳神経疾患、不眠症、うつ病、適応障害、アルコール依存症、不安症、強迫性障害などの精神疾患・メンタルヘルスの問題に対応しております。一宮市、名古屋市、稲沢市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、北名古屋市など、幅広い地域から多くの患者様にご来院いただいております。稲沢市で内科・脳神経内科・心療内科・精神科をお探しの方は、いなざわ駅前内科クリニックへお気軽にご相談ください。