基礎知識

Disease Basics
診療案内

レストレスレッグス症候群は、適切な治療により症状が改善します。

レストレスレッグス症候群は、じっとしているときの足の異常な感覚(むずむずして嫌な感じ、脚を動かしたい感じ、虫が這うような感覚など)がひどく不快に感じられ、脚を動かしたり、触ったりせずにはいられない症状があり、むずむず脚症候群、下肢静止不能症候群とも呼ばれることもあります。
夜間に症状を感じやすい傾向があり、睡眠障害の原因となりやすく、長期間症状が継続するため、抑うつ傾向になったり、自律神経のバランスが乱れたりすることもあります。
日本での調査では、レストレスレッグス症候群の人は人口の2%~4%で、これは200万~400万人にあたり、このうち治療が必要なのは70万人ほどといわれております。また、女性に多く(男性の1.5倍)、40代以降に発症しやすいといわれております。

原因 明らかな原因は解明されていません。発症しやすい誘因は以下の通りです。
・特発性
誘因が明らかではないもの
・二次性
鉄欠乏性貧血、妊娠、慢性腎不全(透析患者)、糖尿病、胃切除後、慢性関節リウマチ、パーキンソン病などがあります。抗うつ薬、抗精神病薬、カフェイン、アルコール、過度の喫煙などは発症、症状の悪化の誘因になることがあります。

症状
① 足の不快な感覚のため、足を動かしたくてたまらなくなります。
足の深部に不快な感じがあります。両足に症状が出ることが多いですが、片方しか出ないこともあります。進行すると、足以外にも症状があらわれることもあります。

② じっとしているときに症状が出現したり強くなります。
就寝時では、なかなか寝つけなく睡眠障害になったり、昼間では、長時間座っていられなくなり、仕事や学業に集中できなかったりして日常生活に支障が生じます。

③ 足を動かすと不快な感覚が軽くなることが多い。
足を叩いたり、さすったり、歩いたりするなど足を動かすと、その間は症状が軽くなったり、おさまったりしますが、足の動きをやめると症状が再び出現することが特徴です。

④ 夕方から夜にかけて症状が強くなります。
夕方から夜になると症状が出現したり、強くなる傾向があり、1日の時間帯により、症状の強さが変化するのが特徴です。

レストレスレッグス症候群の診断基準
国際レストレスレッグス症候群研究グループ(IRLSSG)診断基準2014改訂版では5つの必須診断基準として
1. 脚を動かしたいという強い欲求が常にではないものの通常不快な下肢の異常感覚に伴って、あるは異常感覚が原因と感じて起こる。
2. その強い欲求および異常感覚が、安静にして、静かに横になったり座ったりしている状態で始まる、あるいは増悪する。
3. その強い欲求および異常感覚は運動によって改善する。
4. 安静時におけるその強い欲求および異常感覚が日中より夕方・夜間に増悪する。
5. これらの特徴を持つ症状が、他の疾患・習慣的行動で説明できない。(筋肉痛、静脈鬱血、下肢浮腫、関節炎、こむら返り、特定の体位における不快感、フットタッピングなど類似疾患を鑑別除外)
と、診断を補助する4つの特徴として
1. 睡眠中あるいは安静時の周期性四肢運動の合併
2. ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)が不快感の軽減に効果をもつ。
3. レストレスレッグス症候群の家族歴がある。
4. 日中の強い眠気がある。

治療
非薬物治療
・カフェイン・アルコール・喫煙を控えましょう。
• コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、レストレスレッグス症候群の症状を悪化させ、さらに鉄分の吸収を妨げるため、カフェインを過剰摂取しないようにしましょう。
• アルコール、喫煙もレストレスレッグス症候群の症状を悪化させますので、控えるようにしましょう。
・睡眠衛生の改善
• 規則的な就寝、起床を心がけ、就寝前の激しい運動は避けましょう。就寝前の軽い運動や足のマッサージは有効であると言われています。
その他
• お風呂やシャワーなどの温度刺激により、症状が軽減することがあります。
• 全く動かないことや、逆に激しすぎる運動は症状が起きる原因になることがあります。
• 暇になるとつい足の症状に意識が向いてしまいます。趣味などで集中できるものなど、症状から注意をそらすようにしましょう。
薬物療法
・ドパミン作動薬
プラミペキソール(商品名ビ・シフロール)、ロチゴチン(商品名ニュープロパッチ)
・ガバペンチンエナカルビル(商品名レグナイト)

保険適用外で有効な薬剤として、クロナゼパム、ガバペンチン、バルプロ酸など抗てんかん剤も効果がある場合があります。

・鉄分の補給
• 鉄分不足の場合には、鉄剤を服用します。
• 特に、女性は月経により鉄分不足になることがあります。

レストレスレッグス症候群の患者様が、睡眠薬などを服用すると、むずむず感が解消されないまま眠気だけがどんどん増し、却ってレストレスレッグス症候群の症状を悪化させる可能性がありますから注意しましょう。

当院は、脳神経内科医師が在籍しておりますのでご不安な点がございましたら遠慮なくお問い合わせください。




いなざわ駅前内科クリニックでは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病をはじめ、頭痛、脳卒中、パーキンソン病、認知症、てんかんなどの脳神経疾患、不眠症、うつ病、適応障害、アルコール依存症、不安症、強迫性障害などの精神疾患・メンタルヘルスの問題に対応しております。一宮市、名古屋市、稲沢市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、北名古屋市など、幅広い地域から多くの患者様にご来院いただいております。稲沢市で内科・脳神経内科・心療内科・精神科をお探しの方は、いなざわ駅前内科クリニックへお気軽にご相談ください。